大分県の賃貸市場 ── 2026年の全体像
大分県は約110万人の人口を擁し、**大分市(約47万人)と別府市(約11万人)**が県内賃貸市場の中核です。大分臨海工業地帯の重工業雇用が安定した賃貸需要を生み出し、別府市はAPU(立命館アジア太平洋大学)の留学生と温泉観光の需要が特徴的です。
2015年にJR大分駅ビル「アミュプラザおおいた」が開業して以降、大分駅周辺の都市機能が大幅に向上し、中心市街地の居住需要が回復傾向にあります。
主要都市別の賃貸市場データ
| 指標 | 大分市 | 別府市 | 中津市 | 佐伯市 | 臼杵市 | |------|--------|--------|--------|--------|--------| | 人口(概算) | 約47万人 | 約11万人 | 約8万人 | 約6.5万人 | 約3.5万人 | | 家賃相場(1K) | 3.5〜5.5万円 | 3.0〜5.0万円 | 2.8〜4.0万円 | 2.5〜3.8万円 | 2.5〜3.5万円 | | 表面利回り(一棟) | 7.5〜12.0% | 8.0〜13.0% | 9.5〜14.0% | 10.0〜15.0% | 11.0〜16.0% | | 空室率 | 9〜14% | 10〜15% | 12〜17% | 14〜20% | 15〜21% | | 人口増減 | 微減 | 減少 | 微減 | 減少 | 減少 |
大分臨海工業地帯の安定雇用
大分臨海工業地帯は日本製鉄大分製鉄所、昭和電工(レゾナック)、ENEOS、大分キヤノンなどの大企業が立地する九州有数の工業集積地です。
約15,000人の直接雇用と数千人の協力企業従業員が、大分市南部〜東部の賃貸需要を支えています。法人契約の転勤者が多く、家賃滞納リスクが低い安定した入居者が見込めます。
工業地帯近接エリアの投資特性
- 鶴崎・大在: 工場従業員の需要中心、利回り9〜13%
- 三佐・坂ノ市: 家族向けの需要も、利回り9〜13%
- 特徴: 社宅の民間委託化により法人契約物件の需要が増加傾向
JR大分駅周辺の発展
アミュプラザおおいたを核とした大分駅周辺の商業・ビジネス機能の集積は、中心市街地の居住需要を押し上げています。
- 大分駅周辺: ビジネス需要と利便性志向の単身者、利回り7〜10%
- 府内町・中央町: 繁華街至近、飲食業従事者の需要も、利回り8〜11%
- 金池・上野: 大分大学教育学部の学生需要、利回り9〜12%
別府市 ── 温泉とAPUの多文化需要
APU留学生の賃貸需要
APU(立命館アジア太平洋大学)は約6,000人の学生のうち約半数が留学生という国際色豊かな大学です。1年次は大学の寮に入居しますが、2年次以降は別府市内・大分市内のアパートに住む学生が多く、留学生向け物件の需要があります。
多国籍の入居者に対応するためには、以下の対応が求められます。
- 外国語対応可能な管理会社の選定
- 退去時の原状回復ルールの事前説明の徹底
- 文化の違いによるトラブル対応マニュアルの整備
温泉付き物件の差別化
別府は源泉数・湧出量ともに日本一の温泉地です。温泉引き込みが可能な物件は入居者からの人気が高く、差別化要素として有効です。温泉使用料(月額3,000〜5,000円程度)を共益費に含めるケースが多いです。
中津市 ── ダイハツの工場都市
中津市はダイハツ工業の完成車工場が立地しており、自動車産業関連の雇用が賃貸需要を支えています。工場周辺のワンルーム・1Kは法人契約が中心で安定しています。中津城の城下町としての歴史的な街並みもあり、観光面でも一定の集客力を持っています。
投資戦略
おすすめ戦略
- 大分駅周辺の単身者向け1K〜1LDK: ビジネス需要の中心地、利回り7〜11%
- 鶴崎・大在の工業地帯近接物件: 法人契約の安定性、利回り9〜13%
- 別府市のAPU関連物件: 留学生需要、多文化対応が鍵
- 大分大学周辺の学生向け: 旦野原キャンパス周辺で利回り9〜13%
リスク要因
- 地震リスク: 2016年の熊本地震では大分県内も被害を受けた。別府-万年山断層帯に注意
- 人口減少: 県全体で年間約6,000人のペースで減少
- 重工業依存: 鉄鋼・化学産業の景況感が賃貸需要に直結するリスク
- 温泉地の地盤: 別府は温泉の影響で地盤が脆弱な地域もある
表面利回り・実質利回りをかんたんに計算できます
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大分県は臨海工業地帯の安定雇用とAPU留学生需要が投資の特色です。大分市で利回り7〜13%、別府市で8〜13%が目安。法人契約の安定性を活かしつつ、大分駅周辺の都市機能向上による需要増加を取り込む戦略が有効です。