不動産投資の物件検索や広告では『利回り』という表現が頻出ですが、実は複数の定義があります。表面利回り(グロス利回り)、実質利回り(ネット利回り)、そして返済後の最終利回りの違いを正確に理解できていないと、リスク判断を誤ってしまいます。本コラムでは、それぞれの計算方法と、実務で使い分けるべきポイントを整理します。
不動産投資の基本指標である「表面(グロス)利回り」と「実質(ネット)利回り」の計算式・違い・使い分けを解説します。ポータルサイトの利回り表示の意味と、実際の投資判断で使うべき指標の考え方をわかりやすくまとめました。
不動産投資で使われる「利回り」には表面利回り・実質利回り・NOI利回りなど複数の種類があります。それぞれの計算方法・違い・使い分け・物件選びへの活用法を初心者にもわかりやすく解説します。
表面利回りは「年間家賃収入÷物件価格」で、物件価格と年間賃料があれば算出できます。実質利回りは「(年間家賃収入−年間経費)÷物件価格」で、管理委託費(一般に家賃の5%前後)・固定資産税/都市計画税・修繕費や修繕積立金・火災保険料・原状回復費などを差し引いた値です。本ツールでは物件価格・年間賃料に加えて年間経費(任意入力)を入れると、表面利回りと実質利回りの両方を表示します。実態に近いのは実質利回りで、経費の前提により幅はありますが表面より低くなるのが一般的です。投資判断では実質利回りもあわせて確認し、最終的な判断は不動産会社や税理士など専門家にご相談ください。
管理委託費(一般に家賃収入の5%前後)、固定資産税・都市計画税、修繕費・修繕積立金、火災/地震保険料、入退去時の原状回復費、共用部の水道光熱費などの保有コストを合計します。なお本ツールの経費欄はローンの元利返済や空室損は含めない前提です(返済前・空室考慮前の利回り)。返済後の手取りはキャッシュフロー計算、空室は想定稼働率を家賃に織り込んで別途確認すると実態に近づきます。前提の置き方で結果が変わるため、数値はあくまで目安としてご確認ください。
必ずしもそうではありません。高利回りは築古・郊外・狭小など、空室や修繕、出口での売却難といったリスクが価格に反映された結果であることも多く、利回りだけで優劣は判断できません。築古は中古資産の耐用年数(簡便法では法定耐用年数を全部経過した場合は法定×20%、一部経過は(法定−経過年数)+経過年数×20%、いずれも1年未満切捨てで最低2年)により減価償却期間が短くなりやすく、融資年数も伸びにくい傾向があります。立地・築年・賃貸需要・修繕履歴・返済余力(DSCR=純営業収益÷年間元利返済額など)を総合して判断し、最終判断は不動産会社や税理士など専門家にご相談ください。