ツール活用ガイド
不動産投資の物件分析は、1つのツールだけでは不十分です。複数のツールを組み合わせることで、利回り・収支・返済・安全性・出口戦略を総合的に評価できます。
以下の5ステップに沿ってツールを使えば、投資判断に必要な情報を漏れなく確認できます。所要時間は約30分です。
分析フロー
利回り計算ツールで表面利回りを確認
まずは物件の表面利回りと実質利回りを計算します。物件価格と年間家賃収入を入力するだけで、投資効率の目安が分かります。
チェックポイント
- +表面利回り=年間家賃収入 / 物件価格 × 100
- +実質利回りは管理費・修繕積立金・固定資産税などの経費を差し引いて計算
- +表面利回りだけで判断せず、必ず実質利回りも確認しましょう
判断基準:表面利回り7%以上、実質利回り5%以上が一つの目安です。
キャッシュフロー分析で実質収支を計算
利回りだけでは分からない、毎月の手残り(キャッシュフロー)を計算します。ローン返済額・管理費・修繕費・税金などすべての支出を考慮した実質的な収支を把握できます。
チェックポイント
- +月間キャッシュフロー=家賃収入 - ローン返済 - 管理費 - 修繕費 - 税金等
- +空室率を考慮した現実的な収入で計算することが重要
- +年間キャッシュフローがプラスになることを確認
判断基準:月間キャッシュフローがプラスで、空室率20%でも赤字にならないことを確認しましょう。
ローンシミュレーターで返済計画を立てる
借入額・金利・返済期間を入力して、月々の返済額と総返済額を確認します。金利変動時のシミュレーションも行い、金利上昇リスクに備えましょう。
チェックポイント
- +元利均等返済と元金均等返済の違いを理解する
- +金利が1%上昇した場合のシミュレーションも必ず確認
- +返済比率(返済額/家賃収入)は50%以下が安全圏
判断基準:返済比率50%以下、金利1%上昇でもキャッシュフローがプラスになることを確認しましょう。
DSCR計算で安全性を確認
DSCR(Debt Service Coverage Ratio:借入返済余裕率)は、純営業収益がローン返済額の何倍あるかを示す指標です。金融機関も融資判断に使用する重要な指標です。
チェックポイント
- +DSCR=純営業収益(NOI)/ 年間ローン返済額
- +1.0を下回ると返済が困難な状態
- +金融機関は一般的に1.2以上を求める
判断基準:DSCRが1.3以上あれば安全性が高いと判断できます。1.2未満の場合は投資計画の見直しを検討しましょう。
出口戦略ツールで売却シミュレーション
投資の最終的な成否は売却時に決まります。保有期間ごとの売却シミュレーションを行い、トータルリターンを確認しましょう。
チェックポイント
- +5年・10年・15年後の想定売却価格を試算
- +保有期間中のキャッシュフロー累計+売却益でトータルリターンを計算
- +5年超で長期譲渡所得(税率約20%)、5年以下で短期譲渡所得(税率約39%)
判断基準:保有期間中のキャッシュフロー累計と売却損益を合算して、トータルでプラスになることを確認しましょう。
分析結果の総合判断
5つのツールの結果を総合的に判断し、以下の条件を満たしているかを確認しましょう。
- 実質利回りが5%以上
- 月間キャッシュフローがプラス(空室率20%でも)
- 返済比率が50%以下
- DSCRが1.3以上
- 10年保有でトータルリターンがプラス