高松市は人口約42万人を擁する香川県の県庁所在地であり、四国の経済・行政の中心都市です。瀬戸大橋により本州と直結し、四国の玄関口として広域的な交通拠点の役割を担っています。丸亀町商店街の再開発成功やサンポート高松の発展により中心市街地の賑わいが維持され、全国的にも先進的なコンパクトシティ政策が中心部への資産価値集約を後押ししています。香川大学の学生需要や瀬戸内国際芸術祭の観光需要も加わり、四国で最も投資適性の高い市場の一つです。
高松市が不動産投資先として注目される理由
高松市は単なる地方都市ではなく、四国全域への流動人口の集約点として需要層が広がっているのが特徴です。瀬戸大橋を通じた本州とのアクセスの良さ、コンパクトシティ政策による中心部の居住誘導が、不動産投資にとって追い風となっています。人口減少社会における先進的なまちづくり戦略が評価されており、中心部への資産価値集約が予測されています。
高松市の基本データ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 人口 | 約42万人 |
| 世帯数 | 約19.5万世帯 |
| 主要大学 | 香川大学、高松大学、四国学院大学ほか |
| 主要駅 | JR高松駅、ことでん各駅(瓦町・栗林ほか) |
| 岡山アクセス | マリンライナーで約50〜55分 |
投資指標サマリー
| 物件タイプ | 表面利回り | 家賃相場(月額) | 空室率 |
|---|---|---|---|
| ワンルーム・1K | 8〜13% | 3.5〜5.0万円 | 10〜15% |
| 1LDK〜2DK | 7〜11% | 4.8〜6.8万円 | 8〜13% |
| ファミリー向け | 6〜9% | 6.0〜8.5万円 | 7〜11% |
四国の玄関口としての交通優位性
瀬戸大橋・JRマリンライナー
瀬戸大橋を通じてJRマリンライナーが岡山と高松を約50〜55分で結びます。岡山から新幹線に乗り継げるため、高松は四国で最も本州へのアクセスが良い都市です。この優位性により、岡山のベッドタウンとしての機能を持つ単身者向け賃貸需要が継続的に見込めます。四国内での転勤族も高松に集約される傾向があり、ビジネスパーソン向け物件の空室率低下に直結しています。
ことでん(高松琴平電気鉄道)
ことでんは琴平線・長尾線・志度線の3路線を運行し、市内の主要エリアを結んでいます。沿線は賃貸需要が安定しており、投資エリアの選定で重要な要素です。特に琴平線は観光地・琴平町への玄関口であり、観光シーズンの人流増加が周辺の短期賃貸需要にも波及します。
高松空港
高松空港は東京(羽田)をはじめとした国内主要都市とを結ぶ路線を運行しています。ビジネス・観光の両面で都市の活力に寄与し、出張者向けのシティホテルやサービスアパートメント需要が拡大しています。高松空港と市街地を結ぶ鉄道の構想も長年議論されており、実現すれば空港周辺の利便性向上が期待されますが、実現時期は未定であり、現時点で投資判断の主要根拠とすることは避けるべきです。
コンパクトシティ戦略と不動産投資
高松市は全国に先駆けてコンパクトシティ政策を推進してきました。中心市街地への居住誘導と郊外開発の抑制により、まちなかの人口密度を維持する取り組みが進んでいます。この戦略は投資家にとって極めて重要な政策背景であり、需要予測の確実性を高めています。
- 中心部の居住人口が維持・増加傾向にあり、単身物件・ファミリー物件ともに需要が堅調
- まちなかの生活利便施設が充実し、商業施設・医療機関へのアクセスが容易
- 郊外は人口減少・地価下落リスクが相対的に高く、出口戦略の難度が増す
- 中心部の物件は資産価値の維持が期待でき、売却時の流動性も確保しやすい
空室リスクは郊外と中心部で顕著な格差が生まれているため、投資対象は中心市街地(高松駅〜瓦町〜香川大学周辺)に絞るのが合理的です。
エリア別投資分析
高松駅・サンポート高松エリア
JR高松駅に隣接するサンポート高松は、シンボルタワーを中心にオフィス・商業・文化施設が集積する再開発エリアです。フェリーターミナルから直島・小豆島方面への航路があり、瀬戸内国際芸術祭の拠点としても機能しています。駅直結の立地を活かし、利便性を重視する転勤族やビジネスパーソンが集中しています。岡山方面への通勤者も利用するため需要層に厚みがあります。
- サンポート周辺: ビジネスパーソン向け需要、利回り7〜11%、家賃単身4.0〜5.5万円
- 築地町・北浜町: 港町の雰囲気を活かしたリノベ物件が注目、利回り9〜12%
- 駅近のため空室期間が短い傾向で、築浅物件が競争力を持つ
丸亀町商店街・瓦町周辺エリア
丸亀町商店街は全国の商店街再開発の成功モデルとして知られています。定期借地権を活用した再開発により商業と住居の複合施設が整備され、中心市街地に居住人口が回帰しています。ことでん瓦町駅は琴電3路線が乗り入れる交通結節点で、天満屋跡地の再開発も進み、周辺の賃貸需要が安定しています。
- 丸亀町・片原町: 中心市街地の利便性を活かした物件、利回り7〜10%
- 常磐町・南新町: 飲食店街に近く単身者需要、利回り9〜12%
- 瓦町・中央町: 駅近の利便性、利回り8〜11%、学生から社会人まで幅広い入居者層
香川大学周辺(幸町・番町)
香川大学は幸町キャンパス(法・経済・教育)と三木町の医学部キャンパスを持つ国立大学です。幸町キャンパス周辺は高松駅から徒歩圏内にあり、学生需要と都市需要が重なるエリアです。
- 学生向けワンルーム2.8〜4.2万円、利回り9〜15%
- 空室率9〜13%(学生需要で安定)
- 回転率が高く、利回り重視の投資家向け。季節変動や卒業による空室が課題
栗林公園・太田周辺
栗林公園の南側に広がる住宅街で、ファミリー層の需要があります。ことでん沿線で通勤利便性も良好です。落ち着いた住環境を求める子育て世代に支持され、2DK〜3LDKの間取りが好まれます。学校への近さも重要な選定要因となります。
- 家賃相場:ファミリー5.5〜7.5万円、利回り6〜9%
三条・仏生山エリア(郊外)
郊外の住宅地で、ロードサイド型の商業施設が充実しています。車通勤のファミリー層が中心で駐車場2台分が求められます。地価が低く利回りは相対的に高くなりますが、中心部へのアクセス利便性が落ちるため出口戦略の難度が上がります。
瀬戸内国際芸術祭の投資効果
瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)は3年に1度開催され、約100万人以上の来場者を集めるアートイベントです。高松港がメインの玄関口となるため、開催年は宿泊需要が大幅に増加します。
瀬戸芸開催時に民泊運用を行えば通常の賃貸収入を上回る収益が期待できます。ただし非開催年の需要は限定的であるため、通常賃貸と民泊を切り替えられる運用体制が理想的です。短期賃貸規制の動向も注視し、法的リスクを事前に把握しておきましょう。
投資戦略
コンパクトシティ戦略を活かす
投資対象は中心市街地(高松駅〜瓦町〜香川大学周辺)に絞るのが合理的です。郊外は人口減少と地価下落のリスクが相対的に高く、将来の売却時に買い手を見つけることが困難になる可能性があります。長期保有を前提にする場合でも、中心部投資の方がリスク調整後の収益性が優れています。
瀬戸大橋効果を活かす
岡山方面への通勤・通学需要を取り込める高松駅周辺は、他の四国都市にない独自の強みです。岡山県の経済規模と連動した需要層の確保が可能であり、四国内他都市にはない安定性を備えています。
リスクと注意点
- 人口減少は進行中で、郊外は空室率上昇の懸念が高い
- 四国全体の経済規模は限定的であり、需要層の拡大性に制約がある
- コンパクトシティ政策により郊外の資産価値低下リスクが高まる傾向
- 南海トラフ地震に伴う沿岸部の津波リスクがあり、標高の確認が必要
- 出口戦略は中心部以外で困難になる可能性が増す
まとめ:高松市投資の判断ポイント
高松市は四国の玄関口としての交通優位性とコンパクトシティ戦略により、中心市街地の投資適性が高い都市です。丸亀町再開発やサンポート高松の発展が中心部の魅力を高め、香川大学周辺の学生需要は手堅く、瀬戸芸開催年は民泊運用で収益の上乗せが狙えます。高松駅〜瓦町エリアを中心に社会人・学生需要を取り込み、郊外投資は避けて中心部に集中する方針で堅実な運用を目指しましょう。
融資・管理・出口戦略のポイント
融資の考え方
高松市は四国の経済・行政の中心都市で地元金融機関の営業基盤が厚く、中心市街地の物件であれば融資評価も得やすい傾向にあります。一方、コンパクトシティ政策の下で郊外物件は将来の資産価値下落リスクが意識されやすく、融資期間や評価が伸びにくい場合があります。中心部の物件を選ぶことは、入居需要の安定だけでなく融資面でも有利に働きます。
管理とリーシング
高松駅〜瓦町エリアは社会人・転勤族・学生と入居者層に厚みがあるため、ターゲットを明確にした募集が空室期間の短縮につながります。岡山方面への通勤者を取り込むなら駅近・築浅の単身向け、香川大学周辺なら学生向けの設備(インターネット無料など)と、エリアごとに訴求点を変えましょう。瀬戸内国際芸術祭の開催年に民泊運用を組み込む場合は、通常賃貸と短期賃貸を切り替えられる管理体制と、短期賃貸規制への対応を事前に確認しておくことが重要です。
出口戦略
コンパクトシティ政策により中心部への資産価値集約が進むと予測されるため、出口(売却)の観点でも中心市街地の物件が有利です。郊外物件は買い手が限られ流動性が低下しやすいため、購入時から中心部寄りの立地を選び、実需・投資家の双方に訴求できる物件を意識すると、長期保有後の売却を描きやすくなります。南海トラフ地震に備えた標高の確認と地震・火災保険への加入も、資産防衛の基本です。
よくある質問
Q. 高松市で投資するなら中心部と郊外、どちらがよいですか? A. コンパクトシティ政策により中心部への居住誘導が進んでいるため、高松駅〜瓦町〜香川大学周辺の中心市街地が有利です。郊外は地価が安く利回りは高く見えますが、人口減少と資産価値下落のリスクが大きく、出口(売却)も難しくなります。長期保有でも中心部の方がリスク調整後の収益性に優れます。
Q. 瀬戸大橋による岡山との近さは投資にどう効きますか? A. マリンライナーで岡山まで約50〜55分、岡山から新幹線に乗り継げるため、高松は四国で最も本州アクセスが良い都市です。岡山のベッドタウンとしての単身者需要や四国内の転勤族需要が集約され、高松駅周辺のビジネスパーソン向け物件の空室率低下につながっています。
Q. 瀬戸内国際芸術祭の年だけ民泊で稼ぐことはできますか? A. 開催年は宿泊稼働率が80〜90%に上がり短期賃貸収益が大きく伸びますが、3年に1度の開催で非開催年の需要は限定的です。通常賃貸と民泊を切り替えられる運用体制を組み、ベースは通常賃貸で安定収益を確保しつつ開催年に上乗せを狙うのが現実的です。短期賃貸規制の動向も確認しましょう。
Q. 香川大学周辺の学生向け物件の注意点は何ですか? A. 幸町キャンパス周辺は中心市街地にも近く学生需要が安定していますが、回転率が高く卒業シーズン(3月)の空室や季節変動が課題です。12月までに翌春の募集を始め、インターネット無料などの設備で競争力を高めること、中心部に近い立地で卒業後の社会人入居も見込むことが空室対策になります。
Q. 高松空港連絡鉄道の構想は投資判断に入れるべきですか? A. 実現すれば空港周辺の利便性が大きく向上しますが、構想段階で実現時期は未定です。未確定の計画を価格に織り込んだ先行投資はリスクが高いため、現時点では足元の賃貸需要で採算が取れる物件を選び、連絡鉄道はあくまで将来のアップサイドとして捉えることをおすすめします。
