山形市と仙台市は仙山線で約1時間、高速道路で約1時間という距離にあり、経済的に密接な関係にあります。仙台市は東北最大の都市として安定した賃貸市場を持つ一方、物件価格は東北地方では最も高い水準にあります。山形市はその仙台へのアクセスを活かしながら、より低い物件価格と高い利回りが期待できる投資先です。
本記事では両市の投資環境を多角的に比較し、それぞれの投資先としての特性を明らかにします。
| 指標 | 山形市 | 仙台市 | |------|-------|-------| | 人口(2025年推計) | 約24万人 | 約109万人 | | 人口増減率(5年間) | -3.8% | -0.5% | | 世帯数 | 約10万世帯 | 約54万世帯 | | 大学・短大数 | 5校 | 15校以上 | | ワンルーム平均賃料 | 3.5万円 | 4.8万円 | | 一棟アパート平均価格 | 1,500〜3,000万円 | 3,500〜8,000万円 | | 表面利回り平均 | 11〜15% | 7〜10% |
山形市は仙台市と比較して物件価格が半分以下のケースも多く、利回りは4〜5ポイント高い水準です。一方、人口規模は仙台の5分の1であり、賃貸市場の厚みでは大きな差があります。
山形市の高利回りは、物件価格の安さに起因しています。家賃水準の差は仙台と1〜2万円程度ですが、物件取得価格は半額以下になるケースが多いため、利回りに大きな差が生まれます。
| 物件例 | 山形市 | 仙台市 | |--------|-------|-------| | 築20年4戸1K | 800〜1,200万円 | 2,000〜3,500万円 | | 月額家賃(1戸) | 3.5万円 | 4.8万円 | | 年間家賃収入 | 168万円 | 230万円 | | 表面利回り | 14〜21% | 6.6〜11.5% |
山形市の高利回りには以下のリスクが伴います。
これらのリスクを織り込んだ実質利回りで判断することが不可欠です。利回りシミュレーターで空室率や経費率を変動させたシミュレーションを行いましょう。
JR仙山線は山形駅と仙台駅を約1時間10分で結ぶ路線です。通勤・通学利用も一定数あり、山形市は仙台の広域通勤圏に含まれます。
ただし、仙山線は本数が限られ(1時間に1〜2本程度)、冬季は積雪による遅延・運休が発生します。仙台への通勤を前提とした居住地として山形市を選ぶ層は限定的であり、通勤圏としての位置づけは仙台近郊の名取・富谷・利府には及びません。
仙台〜山形間は高速バスが15〜20分間隔で運行されており、所要時間は約1時間、片道950円です。仙山線よりも利便性が高く、通勤・通学に利用する層も一定数います。高速バスのバス停周辺は、仙台通勤者の居住候補地として注目に値します。
山形市の人口は緩やかな減少傾向にありますが、県内他市町村からの転入が一定数あり、県庁所在地としての求心力は維持しています。特に20代の転出超過が課題ですが、30〜40代のUターン層が一部を補っています。
仙台市は東北唯一の政令指定都市として長年人口増加を続けてきましたが、近年はほぼ横ばいの状態です。自然減を社会増で補う構造が続いていますが、東京圏への転出超過が拡大傾向にあります。
賃貸市場の観点では、仙台市は大学・専門学校が多く、毎年大量の学生が流入・流出するため、賃貸の回転率は高い水準を維持しています。
山形市に隣接する東根市と天童市は、近年ベッドタウン化が進行しています。
| 指標 | 東根市 | 天童市 | |------|-------|-------| | 人口(2025年推計) | 約4.6万人 | 約6.1万人 | | 人口増減率(5年間) | -1.2% | -1.5% | | 山形駅まで | 奥羽本線約20分 | 奥羽本線約10分 | | 新築戸建て相場 | 2,200〜3,000万円 | 2,500〜3,200万円 | | ワンルーム家賃 | 3.0〜3.8万円 | 3.2〜4.0万円 |
東根市の特徴: 山形空港が立地し、大手企業の工場(電子部品・食品)が集積。法人需要が安定的。さくらんぼの名産地としても知られ、観光客向けの宿泊需要もある。
天童市の特徴: 温泉街(天童温泉)があり観光産業が盛ん。山形市への通勤圏として住宅地の開発が継続。将棋の駒の生産地として独自の文化的魅力がある。
東根・天童は山形市と比較してさらに物件価格が安く、高利回りが期待できます。一方で賃貸市場の規模は小さく、空室リスクは山形市中心部よりも高くなります。投資対象としては、工場やオフィスに近い立地のファミリー向けアパートが比較的安定した需要を持っています。
山形市は仙台市と比較して表面利回りで4〜5ポイント高い投資先ですが、人口規模・市場の厚み・流動性では仙台に及びません。それぞれの特性を理解した上で、自身の投資方針に合ったエリアを選択することが重要です。東根・天童を含む山形広域圏も視野に入れることで、投資の選択肢が広がります。
エリア比較ツールで両市の投資指標を数値で比較し、投資シミュレーションツールで長期の収支をシミュレーションしてから投資判断を行いましょう。