保証料とは何か
不動産投資ローンを金融機関から借り入れる際、多くのケースで「保証料」という費用が発生する。これは、万が一借入人が返済不能に陥った場合に金融機関へ残債を立て替える「保証会社」に対して支払う対価である。保証会社が立て替えた後も借入人の返済義務が消えるわけではなく、今度は保証会社に対して返済していく形になる点は誤解されやすいので注意したい。
保証料の水準は金融機関・保証会社・借入人の属性(年収、勤続年数、既存借入状況等)によって異なり、借入額に対して一定の料率で計算されるのが一般的な仕組みである。金融機関によっては保証会社を使わず自行で審査・保証を完結させる「プロパー融資」の形をとる場合もあり、その場合は保証料が発生しないこともある。
不動産投資ローンの諸費用には、保証料のほかに融資事務手数料、印紙税、抵当権設定にかかる登録免許税・司法書士報酬などが含まれる。その中でも保証料は金額の規模が大きくなりやすく、資金計画に与える影響が相対的に大きい項目である。物件取得の初期費用を見積もる際には、頭金や仲介手数料だけでなく、この保証料の支払い方式まで含めて資金繰りを検討しておく必要がある。
保証会社の種類による違い
保証を担う主体には、信用保証協会のように公的な性格を持つ組織、金融機関の関連会社として設立された独立系の保証会社、特定の金融機関と提携して保証業務を行う提携型の保証会社など、いくつかの種類が存在する。どの保証会社を利用するかは基本的に融資を受ける金融機関側が指定する形になり、借入人が自由に選べるものではない点は理解しておきたい。
保証会社の種類によって審査の視点や保証料の算出方法が異なることがあるため、同じ借入条件であっても金融機関が変われば保証料の負担感が変わる可能性がある。複数の金融機関から融資条件の提示を受ける際は、金利だけでなく、どの保証会社が付くのか、その保証料水準がどの程度かも合わせて確認する価値がある。
一括前払い型(外枠方式)の特徴
一括前払い型は、融資実行時に保証料の全額をまとめて支払う方式である。金利そのものには保証料が上乗せされないため、表面金利が低く見えやすいという特徴がある。まとまった資金が必要になる一方、長期間借り続けるほど借入期間で按分した実質コストは小さくなりやすい。
繰り上げ返済や早期の借り換えを行うと、支払った保証料の一部が返還される「戻り保証料」の制度が用意されている金融機関が多い。ただし返還額の計算方法や手数料は金融機関ごとに異なるため、契約時に確認しておく必要がある。
金利上乗せ型(内枠方式)の特徴
金利上乗せ型は、保証料相当額を金利に上乗せして毎月の返済に含める方式である。融資実行時にまとまった現金を用意する必要がなく、自己資金を温存できる点がメリットとなる。一方で、完済まで借り続けた場合の総支払額は、一括前払い型より割高になりやすい傾向がある。
また、金利上乗せ型は保証料をローン残高に応じて期間按分で支払っていく形になるため、早期に完済・借り換えをした場合の払い過ぎが発生しにくいという側面もある。短期保有を想定する投資戦略とは相性がよい場合がある。
どちらが得かの判断軸
一括前払い型と金利上乗せ型のどちらが有利かは、主に何年間その借入を継続する見込みかで変わってくる。長期保有・長期借入を前提とするなら、初期にまとまった保証料を払ってでも表面金利を抑えられる一括前払い型が有利になりやすい。逆に、将来の売却や借り換えを視野に入れている場合は、初期費用を抑えられる金利上乗せ型の方が資金効率の面で選びやすいケースもある。
自己資金の潤沢さ、他の物件取得計画との兼ね合い、金融機関から提示された保証料率と金利差を実際に試算した上で判断することが重要である。
繰り上げ返済・借り換え時の注意点
一括前払い型を選んだ場合、繰り上げ返済や借り換えの際には戻り保証料の有無・計算方法を必ず確認したい。保証会社によっては返還手数料が差し引かれるため、想定より戻り額が少なくなることもある。また、借り換え先の金融機関で新たに保証料が発生する場合、旧ローンの戻り保証料と新規保証料を比較した上で借り換えの損得を判断する必要がある。
保証料は融資条件を比較する際に見落とされがちな費用の一つである。金利だけでなく、保証料の支払い方式・保証会社の種類まで含めて複数の金融機関を比較検討することが、収益物件の資金調達コストを抑える近道となる。
保証料は借入額が大きくなるほど負担額も大きくなりやすい費用であるため、複数物件の取得を計画している投資家にとっては、1件ごとの保証料負担が積み重なっていく点にも注意が必要である。次の物件取得を見据えて自己資金を温存したい局面では金利上乗せ型を、逆に長期保有を前提に総コストを抑えたい局面では一括前払い型を選ぶといったように、投資全体の戦略と合わせて方式を使い分ける視点を持つことが望ましい。
融資条件の交渉時には、金利の引き下げ余地だけでなく、保証料の支払い方式を変更できるかどうかを金融機関に確認してみるのも一つの方法である。同じ金融機関・同じ保証会社であっても、事前の相談によって選べる選択肢が案内されるケースがあるため、契約前の段階で担当者に方式ごとの試算を依頼し、実際の総支払額を比較した上で意思決定することが、無理のない資金計画につながる。
