
不動産投資において融資(ローン)は、レバレッジ効果を活かして投資効率を高めるための重要な要素です。金融機関の種類と特徴、審査のポイント、必要書類、融資を有利に進めるコツを解説します。
不動産投資ローンは、住宅ローンとは異なる商品です。住宅ローンは自己居住用の住宅を購入するためのローンであるのに対し、不動産投資ローンは収益を得るための物件を購入するためのローンです。そのため、審査基準や金利、融資条件が異なります。なお、住宅金融支援機構のフラット35をはじめとする住宅ローンは原則として本人や家族が居住する住宅が対象で、賃貸を目的とした投資物件の購入には利用できません(自宅用ローンを投資に転用すると契約違反となります)。
不動産投資ローンでは、借り手の返済能力(年収・勤続年数・既存借入など)に加えて、物件の収益性(利回り・立地・築年数など)も重要な審査項目となります。物件が生み出す家賃収入でローン返済が可能かどうかが判断されます。
物件価格の70〜90%程度が一般的。フルローンが出るケースもあるが、自己資金を入れた方が審査は通りやすい
法定耐用年数から築年数を差し引いた年数が目安。RC造は長期、木造は短期になりやすい
元利均等返済(毎月の返済額が一定)が一般的。元金均等返済(総返済額が少ない)も選択可能
融資規模が大きく、金利が比較的低い傾向があります。
こんな方におすすめ:高年収・高自己資金の方、大型物件への投資を検討している方
地域に密着した融資を行い、物件所在地のエリアに強みがあります。
こんな方におすすめ:物件所在地の地元銀行と取引がある方、地域密着型の投資を行う方
地域の中小事業者向けの融資に強く、個人事業主にも比較的相談しやすい金融機関です。
こんな方におすすめ:小規模な物件から始めたい方、地元での投資を検討している方
銀行以外の金融機関で、審査基準が銀行とは異なる独自の融資を行います。
こんな方におすすめ:スピード重視の方、銀行融資が難しい物件や属性の方
不動産投資ローンの審査では、「人」と「物件」の両面から評価されます。以下の項目が主な審査基準です。
安定した収入があるかが最も重視されます。一般的に、年収が高く勤続年数が長いほど有利です。上場企業や公務員は審査で優遇される傾向があります。
物件価格に対する自己資金の割合が高いほど、融資審査は通りやすくなります。一般的に物件価格の10〜30%の自己資金があると評価されやすいです。
住宅ローン・カードローン・自動車ローンなど既存の借入があると、返済余力が小さくなるため審査に影響します。借入比率(年収に対する年間返済額の割合)が重視されます。
物件の利回り、立地、築年数、構造、賃貸需要が評価されます。安定した家賃収入が見込める物件ほど融資が通りやすい傾向があります。
融資する金融機関は物件を担保にとるため、万が一の場合に物件を売却してローン残高を回収できるかが重要です。担保評価の代表的な手法が積算評価で、土地値(路線価などに基づく評価額)と建物値を合算して算出します。建物値は再調達価格をそのまま使うのではなく、法定耐用年数に対する残存年数の割合で減価させた金額(再調達価格×残存年数÷耐用年数)で評価するのが一般的です。築年数が経過した建物ほど評価額は小さくなります。
過去の不動産投資経験や、購入後の管理運営計画が整っているかも評価されます。初めての方は、収支計画書をしっかり作成しておきましょう。
融資審査に必要な書類は金融機関によって異なりますが、一般的に以下の書類が求められます。事前に準備しておくことで、審査をスムーズに進められます。
金利・融資条件は金融機関によって大きく異なります。最低3社以上に相談し、条件を比較検討しましょう。同じ物件でも、金融機関によって融資額や金利が異なることは珍しくありません。
保守的な想定(空室率を高めに、家賃を低めに)で作成した収支計画書は、金融機関からの信頼を得やすくなります。楽観的な計画は逆効果です。
自己資金が多いほど融資は通りやすくなります。物件価格の20%以上の自己資金があると、金利面でも有利な条件を引き出しやすくなります。
カードローンやリボ払いなどの借入があれば、融資申込前に完済しておくことが望ましいです。借入比率の改善は審査にプラスに働きます。
不動産会社が提携している金融機関であれば、審査がスムーズに進むことがあります。提携ローンは一般的に金利が優遇される場合もあります。
普段から取引のある銀行は、給与振込先や預金実績を把握しているため、融資相談がしやすくなります。取引実績を積み上げることが将来の融資につながります。