「不動産投資に興味があるけれど、会社に知られたくない」——これはサラリーマン投資家から最もよく聞かれる悩みの一つです。多くの企業で副業に関する規定が存在する中、不動産投資が副業に該当するのかどうか、会社にバレるリスクはあるのか、不安に感じるのは当然のことです。
本記事では、会社員が不動産投資を始める際の実務的なポイントと、会社に知られにくくするための具体的な方法を解説します。
不動産投資は、一般的には「資産運用」の範疇と捉えられており、株式投資や投資信託と同様に副業とはみなされないケースが多いです。ただし、事業的規模に達した場合は「不動産賃貸業」として副業と判断される可能性があります。
税務上、不動産投資が事業的規模とみなされる基準として「5棟10室基準」があります。
この基準を超えると事業的規模とされ、会社の副業規定に抵触する可能性が高まります。初めのうちは、この基準を超えない範囲で投資を行うのが安全策です。
公務員は国家公務員法・地方公務員法により副業が制限されていますが、不動産投資については人事院規則で一定の範囲内であれば認められています。具体的には、5棟10室未満かつ年間家賃収入が500万円未満であれば、許可なく不動産投資を行えるのが一般的です。ただし、自治体によって基準が異なる場合があるため、事前に人事担当に確認することをおすすめします。
会社に不動産投資がバレる最も一般的なルートは、住民税の特別徴収(給与天引き)です。不動産所得が加わると住民税額が増加し、会社の経理担当者が気づく可能性があります。
これを防ぐために、確定申告書の住民税の欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択しましょう。これにより、不動産所得にかかる住民税は自分で直接納付する形になり、会社の給与から天引きされません。
ただし、自治体によっては普通徴収を選択しても特別徴収に統合されるケースがあるため、確定申告後に自治体の税務課に確認することをおすすめします。
確定申告を怠ると、税務署からの問い合わせが会社に届く可能性があります。不動産所得が発生したら、必ず期限内に確定申告を行いましょう。初年度は税理士に依頼して正確な申告を行うことが安心です。
不動産投資の成果をSNSで発信することで、同僚や上司に知られるケースがあります。アカウントの匿名化や、投稿内容に注意を払いましょう。
まず、自社の就業規則を確認し、副業に関する規定を把握しましょう。「全面禁止」「届出制」「許可制」など、企業によって対応は異なります。不動産投資が明示的に禁止されていない場合は、基本的に問題ないと考えられますが、不安な場合は人事部門に匿名で相談する方法もあります。
不動産投資を始めるためには、ある程度の自己資金が必要です。物件価格の20%程度の頭金と、諸費用(物件価格の7〜10%)を合わせて、物件価格の25〜30%程度を目標に貯蓄しましょう。
年収400万円の方であれば、月5万円の貯蓄で3〜4年程度で準備が可能です。
投資を始める前に、最低限の知識を身につけましょう。書籍やセミナーで基礎を学び、実際の物件情報を見ることで相場感を養います。最低でも3ヶ月程度は情報収集に充てることをおすすめします。
知識と資金の準備ができたら、具体的な物件の選定に入ります。最初の物件は「大きく儲ける」よりも「大きく損しない」を基準に選びましょう。立地の良い中古区分マンションが初心者にはおすすめです。
サラリーマン大家の場合、管理会社への委託が必須です。物件購入前から信頼できる管理会社を見つけておき、購入と同時に管理委託契約を結びましょう。
不動産所得が赤字の場合でも確定申告を行うべきです。赤字を給与所得と損益通算することで、所得税の還付を受けられる可能性があります。
不動産投資ローンの審査において、在籍確認として勤務先に電話がかかることがあります。ただし、「〇〇銀行ですが」と名乗るだけで、不動産投資の件であることは伝えません。心配な場合は、金融機関に在籍確認の方法を事前に確認しておきましょう。
不動産所得の確定申告は、慣れれば数時間程度で完了します。家賃収入と経費を整理し、減価償却費を計算する必要がありますが、会計ソフトを使えばそれほど難しくありません。初年度だけ税理士に依頼し、やり方を教えてもらうのも効率的です。
サラリーマンが不動産投資を始めることは、決して特別なことではありません。以下のポイントを押さえれば、会社との関係を維持しながら堅実な投資が可能です。
まずは利回りシミュレーターで気になる物件の収益性を試算し、不動産投資の第一歩を踏み出してみましょう。