不動産投資の利回りは「表面利回り」と「実質利回り」の2つの指標で判断する必要があります。特に地方都市の場合、表面利回りが高くても管理費・修繕費・空室損などを差し引いた実質利回りが大幅に低下するケースがあるため、両方の指標を確認することが重要です。
本記事では、2026年3月時点の主要都市の利回り動向をまとめています。なお、利回りは物件の築年数・構造・立地によって大きく異なるため、あくまで各都市の「傾向」を示す参考値としてご活用ください。
| 都市 | 表面利回り(区分) | 表面利回り(一棟) | 実質利回り目安 | 空室率目安 | |------|-----------------|-----------------|-------------|----------| | 大阪市 | 5.5〜7.5% | 6.5〜8.5% | 4.0〜6.0% | 5〜10% | | 名古屋市 | 5.5〜7.0% | 7.0〜9.0% | 4.5〜6.5% | 5〜8% | | 福岡市 | 5.0〜7.0% | 6.5〜8.5% | 4.0〜6.0% | 4〜8% | | 札幌市 | 6.0〜8.5% | 8.0〜11.0% | 4.5〜7.0% | 5〜12% | | 仙台市 | 6.5〜9.0% | 8.5〜11.5% | 5.0〜7.5% | 6〜12% | | 広島市 | 6.0〜8.0% | 7.5〜10.5% | 4.5〜7.0% | 5〜10% |
大阪市: 人口約275万人。梅田・なんば周辺は利回りが低いが空室率も低い。生野区・東淀川区など周辺区では高利回り物件も流通。インバウンド需要による民泊運用も選択肢。
名古屋市: 人口約232万人。トヨタ関連企業の法人需要が安定。リニア中央新幹線開業を見据えた名古屋駅周辺の地価上昇が続く。栄・金山周辺の単身者需要は底堅い。
福岡市: 人口約164万人で増加傾向。天神ビッグバンや博多コネクティッドなど再開発が活発。人口増加率は政令指定都市でトップクラスだが、新規供給も多く競合が激しい。
札幌市: 人口約197万人。冬季管理コスト(除雪・暖房)が実質利回りを押し下げる要因。中央区は利回りが低めだが安定、北区・白石区は利回りと安定のバランスが取りやすい。
仙台市: 人口約109万人。東北唯一の政令指定都市として周辺からの人口吸引力が強い。学生需要が厚く、青葉区・若林区が投資の中心。
広島市: 人口約119万人。広島駅南口再開発で投資環境が変化中。路面電車沿線の物件は入居率が安定。東広島市の大学周辺は高利回りだが流動性に注意。
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エリア比較ツールで今すぐ計算してみる| 都市 | 表面利回り目安 | 人口 | メリット | リスク | |------|-------------|------|---------|-------| | 秋田市 | 12〜18% | 約30万人 | 取得価格が非常に低い | 人口減少率が全国上位 | | 鳥取市 | 11〜16% | 約19万人 | 競合物件が少ない | 市場流動性が極めて低い | | 高知市 | 10〜15% | 約32万人 | 大学・官公庁の需要 | 南海トラフ地震リスク | | 青森市 | 11〜16% | 約27万人 | 冬季の居住需要が安定 | 除雪コスト大 | | 宮崎市 | 9〜13% | 約40万人 | 温暖で管理コスト低 | 台風リスク | | 松江市 | 10〜14% | 約20万人 | 県庁所在地の安定需要 | 人口減少・市場小 |
表面利回りが15%を超える地方都市の物件には注意が必要です。以下のリスクが潜んでいることがあります。
投資の目的やリスク許容度によって、推奨される都市は異なります。
| 投資タイプ | 推奨都市 | 理由 | |----------|---------|------| | 安定重視 | 福岡・大阪・名古屋 | 人口増加or安定・流動性高 | | バランス型 | 仙台・広島・札幌 | 中利回り・一定の需要基盤 | | 利回り重視 | 秋田・鳥取・高知等 | 高利回りだが出口戦略が課題 | | 分散投資 | 複数都市の組み合わせ | リスク分散効果 |
地方都市の投資判断では、表面利回りではなく実質利回りで比較することが鉄則です。特に以下のコストは都市によって大きく異なります。
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利回りシミュレーターで今すぐ計算してみる2026年の地方都市投資において注目すべきトレンドを3点挙げます。
金利動向: 日銀の金融政策正常化に伴う金利上昇は、レバレッジを効かせた投資の収支に直結します。変動金利のローンで投資している場合、金利上昇シナリオでの収支シミュレーションが不可欠です。
再開発効果: 広島駅南口、札幌駅北口、仙台駅東口など、主要地方都市で大規模再開発が進行中です。再開発エリア周辺の物件は中長期的な資産価値の向上が期待されます。
人口動態の二極化: 県庁所在地への人口集中と周辺地域の過疎化という二極化が加速しています。投資先は各県の中心都市、それも駅前や主要交通沿線に絞り込むことが安全です。
地方都市の利回り比較は単純な数値の大小ではなく、人口動態・賃貸需要の質・管理コスト・出口戦略を総合的に判断する必要があります。利回り計算ツールやキャッシュフローシミュレーターを活用し、各都市の実質利回りを算出した上で、自身の投資方針に合った都市を選定しましょう。
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