不動産投資の物件選びにおいて、築10年前後の物件は「新築と築古のいいとこ取り」ができるバランスの良い選択肢として、経験豊富な投資家から支持されています。新築プレミアムが消失した適正価格で購入でき、かつ建物の状態もまだ良好な時期だからです。
本記事では、築10年物件の投資としての魅力と注意点を、具体的なデータを交えて解説します。
新築物件は購入直後に10〜20%の価格下落が生じますが、築10年の物件はこの新築プレミアムがすでに消失しています。つまり、市場の需給に基づいた適正価格で購入できるということです。
一般的に、マンションの価格は新築時をピークに築10年で約20〜30%下落し、その後は緩やかに推移します。この「価格安定期」に購入することで、購入直後の含み損リスクを大幅に抑えることができます。
築10年の物件は、建物の主要構造部分(基礎、柱、梁、屋根など)はまだ十分に健全な状態にあります。RC造の法定耐用年数は47年ですので、まだ耐用年数の約80%が残っている計算です。
設備面でも、築10年であれば多くの設備がまだ使用可能です。ただし、一部の設備は更新時期が近づいている可能性があるため、確認は必要です。
購入価格が新築より20〜30%安い一方、家賃は新築時から5〜10%程度の下落にとどまるケースが多いため、利回りは新築より明らかに高くなります。
例えば、新築時3,000万円・家賃8.5万円(利回り3.4%)の物件が、築10年で2,200万円・家賃7.8万円(利回り4.3%)になるような状況です。投資効率の観点では、築10年物件の方が優位性があります。
築10年の物件には、過去の入居率、家賃の推移、修繕履歴、管理状態など、10年分の実績データが蓄積されています。新築物件のように「想定」で投資判断するのではなく、実績に基づいた判断が可能です。
マンションの場合、1回目の大規模修繕は一般的に築12〜15年目に実施されます。築10年物件を購入する場合、購入後数年以内に大規模修繕が予定されている可能性があります。
区分マンションの場合は修繕積立金の残高を確認し、不足がないかをチェックしましょう。一棟物件の場合は、自分で修繕計画と費用の見積もりを行う必要があります。
前述のとおり、築10年前後は給湯器やエアコンなどの設備が更新時期を迎えます。これらの費用は1戸あたり20万〜40万円程度かかるため、投資計算に組み込んでおく必要があります。
10年間の管理状態は物件によって大きく異なります。適切に管理されてきた物件と、そうでない物件では、今後の修繕費用や入居者の満足度に大きな差が出ます。共用部分の状態、修繕履歴、管理会社の評判などを必ず確認しましょう。
利回りシミュレーターで設備更新費用を含めた実質利回りを計算し、投資として成立するかを確認しましょう。
年間キャッシュフローは約3.6万円と少額ですが、ローン元金の返済により毎年約30万円の純資産増加が期待できます。10年後にローン残高が約1,100万円になった時点で、仮に1,500万円で売却できれば約400万円の売却益も見込めます。
築10年物件は、以下の点で新築と築古のバランスが取れた投資先です。
築10年物件は、初心者から中級者まで幅広い投資家におすすめできるバランス型の選択肢です。物件選びの際は、立地と管理状態を最重視し、設備の更新費用を見込んだ現実的なシミュレーションを行いましょう。