不動産投資の収益性やリスクは、法令や税制の変更によって大きく影響を受けます。2026年にはいくつかの重要な法改正・制度変更が不動産投資に関わっており、これらを正しく理解しておくことが投資判断において不可欠です。
本記事では、2026年前後に施行された、または今後施行が予定されている主な法改正とその影響を解説します。
2024年4月から相続登記が義務化されました。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行わなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。
この制度は、所有者不明土地の問題を解消するために導入されたもので、過去に相続が発生した不動産にも適用されます。
投資家にとっての影響は以下のとおりです。
2025年4月以降、すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務化されました。これにより、新築物件の建設コストが上昇する一方、断熱性能の向上により光熱費の削減や入居者の快適性向上が期待できます。
既存物件に対する省エネ基準の適合は現時点では義務ではありませんが、省エネ性能の高い新築物件が増えるにつれ、断熱性能の低い既存物件の競争力が相対的に低下するリスクがあります。
入居者の省エネ意識が高まる中、窓の断熱改修やLED照明の導入など、既存物件でもできる省エネ対策を検討することが重要です。
居住用賃貸の家賃は消費税が非課税であるため、インボイス制度の直接的な影響はありません。個人の居住用賃貸経営者の多くは、従来どおりの運営が可能です。
事業用(オフィス、店舗、倉庫など)の賃貸は消費税の課税対象であるため、インボイス制度の影響を受けます。免税事業者のままでいると、テナントが仕入税額控除を受けられなくなるため、テナントから値下げ交渉や退去のリスクが生じる可能性があります。
事業用物件を保有している場合は、適格請求書発行事業者への登録を検討すべきです。
2025年4月から、木造2階建て以下の小規模建築物に対する確認申請の特例(いわゆる4号特例)が縮小されました。これにより、木造アパートなどの新築やリフォームにおいて、構造計算書の提出が必要になるケースが増えています。
投資家への影響としては、以下の点が挙げられます。
法改正により既存不適格となった建築物については、増改築時に現行基準への適合が求められるケースがあります。築古物件を購入する際は、建物が現行の建築基準法に適合しているかどうかを確認することが重要です。
税制は毎年改正が行われるため、最新の情報を常にフォローすることが重要です。特に以下の項目は不動産投資に直結するため、注目しておきましょう。
不動産所得が増えると住民税額が増加し、ふるさと納税の控除上限額も上がります。これを活用して、実質的な節税効果を高めることも一つの戦略です。
法改正は毎年行われるため、以下の情報源を定期的にチェックしましょう。
法改正の影響は個々の状況によって異なるため、税理士や不動産の専門家に相談し、自分の投資にどのような影響があるかを具体的に把握することが重要です。
法改正が発表されたら、施行前に必要な対策を講じておきましょう。例えば、相続登記の義務化に伴い、未登記の不動産がある場合は早めに登記を済ませておくことが賢明です。
法改正は一見リスクに見えますが、事前に準備しておけば競合他者に対する優位性を築くチャンスでもあります。
法改正に対応するための最初のステップとして、投資スコアカードで現在の投資状況を診断し、法改正の影響を受けやすいポイントがないか確認してみてください。