築年数が30年を超える木造アパートは、一般的には敬遠されがちな投資対象です。しかし、適切なリノベーションを施すことで収益性を大幅に改善できるケースがあります。本記事では、空室率50%の築古アパートを購入し、戦略的なリノベーションで満室経営を実現したBさんの事例を紹介します。
Bさんは50代の自営業者で、本業の収入を補完する目的で不動産投資を始めました。投資歴は3年で、すでに戸建1棟を賃貸運営した経験があります。次のステップとして一棟アパートへの挑戦を決意しました。
| 項目 | 内容 | |------|------| | 所在地 | 仙台市太白区(地下鉄駅 徒歩12分) | | 物件種別 | 一棟アパート(2階建・6戸) | | 築年数 | 30年(木造) | | 購入価格 | 1,800万円 | | 間取り | 2DK × 6戸 | | 購入時入居 | 3戸(空室率50%) | | 購入時家賃 | 3.8万円/戸 |
Bさんがこの物件に着目した理由は3つあります。
1. 立地のポテンシャル
地下鉄駅から徒歩12分と、アクセスは悪くありません。周辺には小学校やスーパーがあり、ファミリー層の生活利便性は高いエリアです。空室の原因は立地ではなく、物件の老朽化にあると判断しました。
2. 割安な取得価格
空室率が高いため、相場より約30%安い価格で取得できました。満室想定の表面利回りは15.2%に達し、リノベーション費用を加えても十分な収益性が見込めました。
3. 構造の健全性
購入前にホームインスペクション(建物診断)を実施し、基礎・柱・梁の構造躯体に問題がないことを確認しました。雨漏りやシロアリの被害もなく、内装と設備の刷新で再生可能と判断しました。
Bさんは全6戸を段階的にリノベーションしました。
| 工事内容 | 費用(1戸あたり) | |----------|-------------------| | 水回り交換(キッチン・浴室・トイレ) | 80万円 | | 内装(クロス・CF・畳からフローリング化) | 35万円 | | 建具・照明の更新 | 15万円 | | エアコン新設 | 8万円 | | 共用部(外壁塗装・エントランス・照明) | 180万円(全体) | | 合計 | 1,008万円 |
1戸あたり約138万円、共用部を含めた総額は約1,008万円です。購入価格と合わせた総投資額は約2,808万円となりました。
リノベーション完了後、家賃を1戸あたり5.2万円に設定しました。
| 項目 | リノベ前 | リノベ後 | |------|---------|---------| | 家賃(1戸) | 3.8万円 | 5.2万円 | | 入居戸数 | 3戸/6戸 | 6戸/6戸 | | 月額家賃収入 | 11.4万円 | 31.2万円 | | 年間家賃収入 | 136.8万円 | 374.4万円 | | 表面利回り(総投資額ベース) | — | 13.3% |
空室だった3戸はリノベーション完了から1ヶ月以内にすべて入居が決まりました。既存入居者の3戸も退去時に順次リノベーションし、家賃を引き上げています。
Bさんの事例で特に参考になるポイントは以下です。
築古アパートのリノベーション投資は、物件の見極めと工事計画の精度が成否を分けます。空室が多い物件は割安に取得できる反面、空室の原因が立地なのか物件状態なのかを見極めることが最も重要です。構造が健全で立地に問題がなければ、適切なリノベーションで高い収益性を実現できる可能性があります。