はじめに
仙台で7棟・総戸数60戸超の収益物件を運営するBさん(40代)にインタビューしました。15年にわたる投資経験の中で得た知見、失敗から学んだ教訓、そして今後の戦略についてお聞きしました。
不動産投資を始めた経緯
Q:不動産投資を始めたのはいつ頃ですか?
2011年、30歳のときに最初の物件を購入しました。東日本大震災の直後で、仙台の不動産市場は一時的に下落していたタイミングです。復興需要で賃貸需要が急増することを見込んで、青葉区の中古アパートを購入しました。結果的に、これが非常に良い判断でした。
Q:その後の規模拡大はどのように進めましたか?
最初の3年間は1棟だけ運営して経験を積みました。キャッシュフローが安定していることを確認してから、2棟目・3棟目と購入していきました。以下が購入の経緯です。
| 時期 | 物件 | エリア | 取得価格 | |------|------|--------|----------| | 2011年 | 木造アパート 6戸 | 青葉区 | 2,400万円 | | 2014年 | 軽量鉄骨 8戸 | 太白区 | 3,200万円 | | 2016年 | RC造 12戸 | 泉区 | 6,800万円 | | 2018年 | 木造アパート 8戸 | 宮城野区 | 2,800万円 | | 2020年 | RC造 10戸 | 若林区 | 5,500万円 | | 2022年 | 鉄骨造 9戸 | 名取市 | 3,600万円 | | 2024年 | RC造 12戸 | 青葉区 | 7,200万円 |
投資で学んだ教訓
Q:失敗した経験はありますか?
もちろんあります。3棟目のRC造マンション(泉区)は、購入後に想定以上の修繕費用がかかりました。購入前のインスペクション(建物状況調査)を省略してしまったのが原因です。給排水管の劣化が進んでおり、購入2年目に約400万円の修繕費が発生しました。
この経験から、購入前の建物調査は必ず実施するようにしています。物件購入チェックリストにある項目はすべて確認する習慣がつきました。
Q:空室対策で効果があったことは?
最も効果があったのはインターネット無料の導入です。単身者向け物件で導入したところ、問い合わせ数が明らかに増えました。導入コストは1棟あたり月2〜3万円程度ですが、空室1ヶ月分の機会損失と比べれば安いものです。
あとは、管理会社の選定が非常に重要です。管理会社を変更しただけで入居率が5ポイント改善した物件もあります。管理会社の選び方は定期的に見直すことをおすすめします。
融資戦略
Q:7棟もの融資をどのように受けてきましたか?
最初の3棟は地方銀行、4棟目以降は信用金庫やノンバンクも活用しています。重要なのは、1つの金融機関に依存しないことです。複数の金融機関と取引関係を築いておくことで、金利交渉もしやすくなります。
自己資金の割合は物件にもよりますが、2〜3割を目安にしています。融資・ローン攻略ガイドで解説されているような事業計画書の作り方は、融資審査で確実に役立ちます。
出口戦略の考え方
Q:売却した物件はありますか?
はい。2021年に最初に購入した青葉区の木造アパートを売却しました。築25年を超え、大規模修繕のタイミングが近づいていたためです。購入価格2,400万円に対して売却価格は2,100万円でしたが、10年間の家賃収入と減価償却による節税効果を考慮すると、トータルでは十分な利益が出ました。
所有5年超なので長期譲渡所得の税率が適用され、税負担も軽減できました。出口まで含めた計画を立てることが本当に大切です。
Q:今後の投資方針は?
現在は「攻め」から「守り」にシフトしています。新規購入よりも、既存物件のバリューアップと返済に注力しています。具体的には、以下の施策を進めています。
これから投資を考えている方へ
Q:初心者へのアドバイスをお願いします。
3つあります。
- 小さく始めること。最初から大きな物件を買う必要はありません。1棟目で経験を積んでから規模を拡大してください。
- 数字で判断すること。感覚ではなく、シミュレーションツールを使って定量的に分析してください。
- 信頼できる相談相手を持つこと。不動産会社、管理会社、税理士、先輩投資家など、困ったときに頼れる人脈が重要です。
仙台は東北最大の都市として安定した賃貸需要があり、不動産投資を始めるには適した市場だと考えています。ぜひ投資相談を活用して、一歩を踏み出してみてください。
まとめ
- 15年で7棟まで段階的に規模を拡大
- 建物調査の省略は大きな失敗に直結する
- インターネット無料と管理会社の選定が空室対策の鍵
- 複数の金融機関との取引関係が融資力を高める
- 出口戦略まで含めた長期計画が重要
- 経験を積んだ後は「守り」の運営にシフト