収益物件を高く売るための準備と工夫|売却前にやるべきこと
収益物件の売却価格を左右する要因
収益物件の売却価格は、主に「物件の収益力」と「物件の状態」によって決まります。買主にとっての投資価値が高いほど、高い価格で売却できる可能性が高まります。
居住用物件が周辺相場や築年数で価格が決まりやすいのに対し、収益物件はその物件がどれだけの家賃収入を安定的に生み出せるかが重視されます。つまり、売却前に物件の収益力を高め、そのことを買主に適切に伝えることが、高値売却の鍵となります。
売却前のリフォーム・修繕
売却前にリフォームや修繕を行うかどうかは、慎重な判断が必要です。
費用対効果を見極めることが重要です。すべてをリフォームすれば良いというわけではなく、かけた費用以上に売却価格が上がるかどうかを検討しましょう。外壁塗装や共用部の美観整備など、第一印象を大きく左右する箇所は効果が出やすい傾向があります。
明らかな不具合は修繕しておくことをお勧めします。水漏れ、雨漏り、設備の故障など、目に見える不具合がある状態では、買主の印象が大幅に悪化します。これらは売却価格を下げる要因となるだけでなく、交渉材料にもされやすいため、事前に修繕しておくことが得策です。
大規模なリノベーションは慎重に判断しましょう。売主が行ったリノベーションが買主の好みに合わない場合、かけた費用が回収できないリスクがあります。最低限の修繕に留め、大幅なリノベーションは買主に委ねるという判断も合理的です。リフォームによる価値向上についてはリノベーションによるバリューアップも参考にしてください。
レントロールの整備
レントロール(賃料一覧表)は、収益物件の売買において最も重要な資料のひとつです。
レントロールに含めるべき情報としては、各部屋の間取り・面積、契約家賃、共益費・管理費、敷金の預かり状況、入居者の入居年月、契約期間、空室の場合は募集条件などがあります。
家賃が相場と乖離していないか確認することも重要です。長期入居者の家賃が周辺相場よりも安い場合は、将来的な家賃引き上げの余地があることを買主にアピールできるポイントになります。逆に、相場よりも高い家賃で入居している部屋がある場合は、退去後に家賃が下がるリスクがあると判断される可能性があります。
空室がある場合は対策を講じることが望ましいです。満室に近い状態のほうが、買主にとっての安心感は大きくなります。売却を検討し始めたら、空室を早期に埋める努力をしましょう。空室対策の方法は空室対策の実践テクニックで解説しています。
売却時期の見極め
収益物件の売却時期は、売却価格に大きく影響する場合があります。
不動産市況を考慮することは当然ですが、市況の天井を完璧に見極めることは困難です。明らかな上昇トレンドの終盤で売り急ぐよりも、自身の投資計画や資金需要に基づいて判断するほうが合理的です。
保有期間と税金の関係も重要です。不動産の譲渡所得税は、保有期間によって税率が異なります。長期譲渡所得(保有期間が一定年数超)と短期譲渡所得では税率に大きな差があるため、売却時期によっては税引き後の手取り額が大きく変わります。不動産売却時の税金については収益物件売却時の税金ガイドで詳しく解説しています。
賃貸需要の季節変動も考慮に入れましょう。入居率が高い時期に売りに出せば、満室に近い状態をアピールできるため、買主の評価が高くなりやすい傾向があります。
減価償却の残存期間も判断材料のひとつです。減価償却が終了した物件は、税務上のメリットが薄れるため、減価償却終了のタイミングで売却を検討するオーナーもいます。売却タイミングの詳しい考え方は収益物件の売却タイミングの見極め方をご覧ください。
複数業者への査定依頼
収益物件を高く売るために、複数の不動産業者に査定を依頼することは基本中の基本です。
最低でも3社以上に査定を依頼することをお勧めします。業者によって査定額にはばらつきがあり、得意とする物件タイプやエリアも異なります。1社だけの査定では、適正な売却価格の判断が難しくなります。
査定額だけで業者を選ばないことも重要です。高い査定額を提示する業者が、必ずしもその価格で売却できるとは限りません。査定の根拠や販売戦略、過去の成約実績なども総合的に評価して業者を選びましょう。
収益物件の売買に強い業者を選ぶことで、適切な買主に物件情報が届きやすくなります。投資家向けの販売ネットワークを持つ業者は、収益物件の特性を理解した買主を見つけやすい傾向があります。
その他の売却準備
物件に関する書類を整理しておくことで、売却がスムーズに進みます。建築確認済証、検査済証、修繕履歴、管理規約(マンションの場合)、測量図、固定資産税の納税通知書など、買主や仲介業者から求められる書類は多岐にわたります。
修繕履歴を時系列で整理することも効果的です。計画的にメンテナンスを行ってきた物件であることを示すことで、買主の安心感を高められます。
入居者への配慮も忘れないようにしましょう。売却に伴い内覧が必要な場合は、入居者の生活に配慮しながら進める必要があります。入居者との良好な関係は、買主にとっても物件の魅力のひとつです。
出口戦略全体の考え方については出口戦略の基本と実践も合わせて参考にしてください。
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