滋賀県の不動産投資環境 ── 概要
滋賀県は人口約141万人(2026年時点推計)を擁する近畿地方の県です。全国的に人口減少が進む中、滋賀県は長年にわたり人口増加を続けてきた数少ない県の一つです。特にJR琵琶湖線沿線の大津市南部から草津市・守山市・栗東市にかけてのエリアは、京阪神のベッドタウンとして人口流入が続いています。
県庁所在地の**大津市(約34万人)**は京都駅からJRで約10分、大阪駅まで約40分という抜群のアクセスを誇ります。**草津市(約14万人)**は滋賀県内で最も人口増加率が高い都市の一つであり、賃貸需要の成長が期待できるエリアです。
主要都市の賃貸投資指標
| 指標 | 大津市 | 草津市 | 彦根市 | |------|--------|--------|--------| | 人口(概算) | 約34万人 | 約14万人 | 約11万人 | | 表面利回り(区分) | 6.5〜10.5% | 6.0〜10.0% | 8.0〜13.0% | | 表面利回り(一棟) | 7.5〜12.0% | 7.0〜11.5% | 9.5〜14.5% | | 空室率 | 9〜14% | 8〜13% | 12〜17% | | 物件価格帯(区分) | 200〜1,200万円 | 200〜1,000万円 | 80〜600万円 | | 主要産業 | 商業・サービス・官公庁 | 製造業・商業・教育 | 製造業・商業・観光 | | 人口増減傾向 | 横ばい〜微増 | 増加 | 微減 |
京阪神ベッドタウンとしての強み
JR琵琶湖線沿線の賃貸需要
滋賀県南部のJR琵琶湖線(東海道本線)沿線は、京都・大阪への通勤路線として機能しています。特に**新快速停車駅(大津・草津・守山・野洲・近江八幡)**の周辺は通勤需要が旺盛であり、賃貸市場が活発です。
京阪神エリアと比較して物件価格が3〜5割安いにもかかわらず、大阪駅まで40〜50分の通勤時間は十分実用的です。このコストパフォーマンスの高さが、ファミリー層の流入を促し、人口増加を支えています。
草津市の成長力
草津市は立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)の存在により学生需要が厚いことに加え、パナソニックやダイキン工業などの製造業拠点があり、工場従業員の賃貸需要も安定しています。人口増加と商業施設の充実により、生活利便性の高い成長エリアとして注目されています。
大津市の賃貸市場 ── 京都隣接の好立地
大津市は琵琶湖の南西岸に位置し、京都市に隣接する県庁所在地です。大津駅から京都駅までJRで約10分という近さは、関西エリアの中でも屈指の通勤利便性です。
大津市内でも南部(石山・瀬田エリア)は大学や企業の集積により賃貸需要が安定している一方、北部(堅田・比叡山エリア)は人口減少傾向にあります。投資エリアとしてはJR沿線の南部に限定するのが堅実です。
滋賀医科大学や龍谷大学瀬田キャンパスの周辺は学生・医療従事者向けの安定需要があり、投資適格エリアとして評価できます。
2026年の注目トレンド
製造業の集積強化
滋賀県は琵琶湖の水資源と京阪神への近接性を活かし、製造業の集積が進んでいます。半導体関連や医療機器メーカーの新規進出が相次いでおり、工場従業員向けの賃貸需要が増加しています。
琵琶湖のアウトドア需要
コロナ禍以降、琵琶湖周辺のアウトドアレジャーが人気を博しています。湖畔のワーケーション施設やグランピング施設の開発に伴い、観光関連の雇用が拡大しています。直接的な賃貸投資よりも、関連産業の雇用増による間接的な需要押し上げ効果が注目されます。
大津市のコンパクトシティ化
大津市は中心市街地の活性化と居住誘導を推進しており、JR大津駅・膳所駅周辺のリノベーション事業が進行しています。中心部の賃貸需要強化につながる施策として注目されます。
実質利回りシミュレーション
大津市・JR沿線の場合(区分マンション・1K)
草津市の場合(区分マンション・1K)
- 物件価格:550万円、家賃:4.8万円/月(表面利回り10.5%)
- 管理費・修繕積立金:1.2万円/月
- 固定資産税:4.5万円/年
- 空室率:9%(1.1ヶ月/年)
- 実質利回り:約6.0%
草津市は人口増加エリアのため空室率が低く、安定した運用が期待できます。利回りは他の地方都市と比較すると控えめですが、その分リスクも小さいバランスの取れた市場です。
投資戦略の使い分け
京阪神通勤需要型(推奨) → 大津市南部〜草津市
JR琵琶湖線の新快速停車駅徒歩圏に絞り込む戦略です。京都・大阪への通勤需要は構造的に安定しており、人口増加エリアならではの低空室率が魅力です。ファミリー層をターゲットにした2LDK以上の物件も有力な選択肢です。
学生需要特化型 → 草津市・大津市瀬田
立命館大学BKC、龍谷大学瀬田キャンパス周辺の学生需要に特化する戦略です。毎年安定した入退去サイクルがあり、空室期間が短い傾向にあります。
製造業連動型 → 県南部
パナソニックやダイキン工業などの製造拠点周辺の物件に投資し、工場従業員の賃貸需要を取り込む戦略です。法人契約の比率が高く、安定した入居者が期待できます。
リスクと注意点
- 新築供給の増加:人口増加エリアでは新築アパートの供給が活発であり、築古物件との競合が激化
- 琵琶湖北部の人口減少:県全体では人口増加傾向だが、北部(長浜市・高島市)は減少が続く
- 京阪神経済への依存:京阪神の景況変化が滋賀県の通勤需要に直結するリスク
- 物件価格の上昇:人口増加エリアでは物件価格が上昇しており、利回りが低下傾向
- 自然災害リスク:琵琶湖周辺の水害リスクやJR沿線のがけ崩れリスクに注意
彦根市・近江八幡市の投資機会
彦根市 ── 城下町の安定需要
彦根市は国宝彦根城を擁する城下町であり、滋賀大学経済学部のキャンパスが立地しています。学生需要と観光関連雇用が安定した賃貸需要を形成しています。県南部と比較して物件価格が安く、利回りが高い傾向にあります。
近江八幡市 ── 歴史と製造業の融合
近江八幡市は近江商人発祥の地であり、歴史的な町並みが観光資源となっています。製造業の工場も立地しており、複合的な賃貸需要があります。JR琵琶湖線の新快速停車駅を擁するため、京阪神への通勤も可能です。
まとめ
滋賀県の賃貸市場は、京阪神ベッドタウンとしての人口増加という他の地方県にはない強みを持っています。JR琵琶湖線の新快速停車駅周辺は、安定した通勤需要と生活利便性の高さから、関西エリアでも有力な投資先の一つです。
投資にあたっては、人口増加が続く県南部(大津市南部〜草津市〜守山市)に限定し、JR駅徒歩圏内の物件を選定するのが堅実な戦略です。人口増加に伴う新築供給の増加には注意し、差別化要素のある物件を選びましょう。
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